剪定が必要な理由

柿の木は一般的な樹木に比べ非常に成長力が高いため、そのままの状態で伸ばし続けてしまうと管理するのが困難になりますし、枝に実を付けて収穫できる状態になっても収穫できなくなってしまいます。
そのため、木の成長具合を常時確かめつつ必要に応じて剪定しなければならないのですが、作業が必要になる理由としてさらに挙げられるのは、農薬散布が難しくなる事もあります。
実は厚い皮に覆われていたとしても周囲に大変甘い香りを放ち、虫などが寄りやすいので農薬散布をしなければなりません。
しかし、枝ぶりが成長しすぎて高い位置になってしまうと農薬が行き届かなくなるため、虫害に見舞われ美味しく頂ける柿が得られなくなってしまいます。
・高所に実がなると収穫が困難になるため
・農薬が柿の隅々まで行き届かなくなるため
剪定対象の枝とは

柿の木の枝を剪定する時には作業によって実現させたい目的により対象となる枝や方法が異なるため、まずはどうすれば問題解決できるのかを把握する事が先決です。
最も多い事例である収穫量を調整したいといった場合では、枝の先端部を剪定すると不要な実を実らせる事を予防する事が可能になります。
また、日当たりを良好にしたい時は実を減らす手順とは反対に、根本を中心として枝を切り落としていくと影が生じにくくなりますし、今まで実が実らなかった所に実らせる事もできます。
・不要な実を実らせず品質の良い柿を育てたい ⇒ 枝の先端を剪定
・今までと違う箇所に柿を実らせたい ⇒ 影となる枝を切り落とし日当たりを良くする
剪定の仕方

柿の木は樹齢が短い木と長い木により剪定方法が異なり、古くから根付いている樹齢が長い木を剪定する時はまず毎年欠かさず行う事を前提として抑えておきます。
そして、前年の成長具合をしっかりと把握しておく事が重要になり、前年の成長率が著しかった枝は花を咲かせてあげるべく、極端に短くし過ぎないようにしましょう。
一方、樹齢が低い木は主になる枝と派生する枝の間隔が重要になるため、前年の成長率は考慮せず共通して30センチから50センチの間隔を均等に保つようにします。
さいごに
このように剪定作業では、日当たりや栄養が全体に行き届くバランスであったり、実に傷が付かないよう枝と枝との間隔が重要であるため、1年の柿の品質を決める重要な作業となります。
また、剪定では前年の成長具合からみて改善しなければならない点を考慮して作業を行って行きましょう。
松下農園では、長年柿の世話をしているので一本一本の柿の木の状態を把握しています。
そのため、剪定作業はそれほど難しくはありません。
しかし、剪定作業を行ったことのない人、または柿について全く知らない人にとっては大変難しい作業だと思います。
前年の柿の来の状況を把握していれば良いのですが、そうでない場合、今の柿の木の状態から剪定箇所を判断しなければなりません。
なので、もし初心者の方が剪定を行う場合は、まず所有者とどのように柿を実らせたいのか、前年の柿の状況はどうだったかなどを相談し、慎重に剪定作業を行うことをおすすめします。