松下農園の農園長(@matsushitanouen)です。
この記事では、次郎柿の荒皮削り、粗皮削りについて詳しく解説していきます。
粗皮削りについて
年月が経過し、古くなった柿の皮の内側には、冬を越すため害虫(カイガラムシ)が付着しております。
引用:HORTI
次郎柿の成長に影響を及し品質が悪くなるため、5年に1度のペースで付着した害虫を取り除く粗皮削りを行います。
害虫を取り除かずに放置しておくと、夏場にかけて大量に繁殖し、枝が腐敗して柿が実らなかったり、実が成長しないなど深刻な問題へと繋がります。
また、皮を削ることにより病原菌を減らし、農薬の散布量を減らすことが出来ます。
害虫は、こぶや枝元によく付着いるため、虫や卵を見つけたら必ず取り除くようにしましょう。
剪定終了後から枝から芽が生えるまでの間
使用する道具について
- タンク500リットル
- タンク300リットル
- 高圧洗浄機
タンクには用水から汲んできた水が入っており、500リットルと300リットル合わせて3時間程度持ちます。
流石に鎌だけで地道に粗皮削りを行うのは不可能なので、丸山製作所から出ている高圧洗浄機を使用します。
タンクに入っている水を噴射するガンです。
普通の洗浄機と違ってモーターで動いておりますので、非常に威力が強いです。
先端のノズルがぐるぐる回る仕様で、皮がよく削れるように出来ております。
細かい箇所を削る時のために鎌もあると便利です。
服装について
- フェイスガード
- ゴム手袋
- レインウェア
- 長靴
ガンから出る水の勢いが強いので、木に付いた土やコケの跳ね返りがありますので服装にも十分に気を付けて下さい。
特に水や皮の跳ね返りを防ぐため、雨対策の恰好で揃えるようお願いいたします。
レインウェアの代わりにかっぱでも構いません。
軍手ですと水を通して濡れてしまうため、水を通さないゴム手袋の方が良いでしょう。
皮の跳ね返りで顔が傷ついたり、汚れた水が目に入る恐れがあるため、フェイスガードでしっかりと顔を保護しましょう。
地面も水浸しになり、靴が汚れるため長靴を履くようにして下さい。
粗皮削りのやり方について
根元から枝にかけて、粗皮削りを行いましょう。
柿の木の粗皮削りを仕上げるのに、だいたい1本10分から15分くらい掛かります。
- ガンの勢いが強いので、芽に当たると芽が取れてしまいます。枝に水を当てる時は、芽の場所を事前に確認し、当てないよう注意するか、芽の箇所は粗皮削りしないように気を付けましょう。
- 1箇所を集中的に水を当てないようにして下さい。高圧洗浄機の威力が強力なため、枝が折れてしまう可能性があります。
- 削り残しがないよう、しっかりと木の周りを確認して下さい。
粗皮削り後、表面の皮とコケが無くなり白くなります。
まとめ
粗皮削りを行う年ですと、休みの冬場でも例年と違って忙しくなります。
剪定作業後、周りの農家さんも一斉に粗皮削りを開始します。
次郎柿の粗皮削りは重労働ですが、品質にかかわることなのでしっかりとやっていきたいですね。